トップへ » 診療について » 歯周病
歯周病治療
歯を支える骨や歯肉の病気、それが歯周病です。治療をせずに放置しておくと、全身に影響を及ぼすこともあります。
歯周病とは、歯を支えている歯肉や歯槽骨が徐々に破壊され、歯が抜け落ちてしまう怖い病気です。手や足のケガのようにご自身ではすぐに気付くことができず、歯科医師が診なければ判断できません。
歯周外科や再生療法で残すことのできなかった歯でも、当院なら残すことができるかもしれません。早期発見が難しい歯周病だからこそ早めにご来院いただき、早期治療を行うことが大切です。
歯周病とは?
歯肉やセメント質、歯根膜、歯槽骨によって構成されている組織を歯周組織と言います。歯に付着した汚れが原因となって炎症が起きると、少しずつ歯周組織は破壊されます。そのまま放っておくと最後には歯が抜け落ちてしまう病気が歯周病です。
歯周病は、初期段階ではほとんど症状が出ません。自覚症状が出始める頃には末期状態になってしまっており、手の施しようがない場合もあります。歯を残すためにも、定期的な健診や予防で早期発見・早期治療を行うことをお薦めします。
歯周病の自己チェック
歯周病の予防では、鏡で歯ぐきの色などを観察する習慣も大切です。チェックリストにあてはまる項目があれば、早めに歯科医院に相談しましょう。
●歯周病チェックリスト
□ 歯ぐきの色が紫または赤黒い
□ 歯の表面がネバネバする
□ 歯石が付いている
□ 口臭が強くなった
□ 歯の隙間に食べカスが挟まる
□ 歯ぐきから出血することがある
□ 時々歯ぐきが腫れて痛む
□ 歯が動く感じがする
歯周病の進行具合と治療方法
軽度歯周病
歯と歯肉の間にプラーク(歯垢)や歯石が溜まり、細菌の繁殖により歯肉に炎症が起こった状態です。歯肉の腫れや出血などを伴います。
<治療方法>
ブラッシング指導や、1~2回の歯のクリーニングを行うことで、比較的短期間で回復します。
中等度歯周病
口臭や出血がひどく、歯石の付着も目立ち、専門家が見れば歯肉にも炎症を起こしているのが確認できます。徐々に骨が後退し始め、歯周ポケットも深くなり、歯も動揺してきます。
<治療方法>
歯の表面に沿って歯肉溝の奥まで付着した歯石を取り除きます。
重度歯周病
さらに進行し、歯肉は化膿して真っ赤に腫れます。骨もかなり破壊されて後退し、歯の動揺がグラグラと大きくなっています。
<治療方法>
重度の場合、歯周外科にて対応します。それでも保存不可能な場合は、残念ながら抜歯となります。
歯周病と全身疾患
体に少しでも不調を感じたとき病院に行く方はたくさんいらっしゃいますが、少しくらい歯が痛くてもすぐに歯科医院に行く方は少ないようです。特に歯周病の場合、初期の段階では自覚症状がないため、歯がぐらぐらするまで治療をしない方も多いでしょう。
しかし近年、歯周病は歯の病気だけでなく、全身的な疾患との関係が指摘されています。歯周病を放っておくと糖尿病や心臓病のリスクが高くなり、妊婦さんに悪影響を及ぼすこともあるのです。お口の中の環境を整えることが、全身の健康維持につながります。歯周病の予防はしっかり行いましょう。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
寝たきりや高齢が原因で抵抗力が低下すると、口腔内に歯周病菌が大量発生します。そうすると、誤嚥性肺炎を発症する可能性が高くなります。
心臓発作(心筋梗塞)
重度の歯周病の場合、歯周病菌が血管内に入り込み、血液と共に全身の臓器に侵入してしまうことがあります。歯周病菌には血栓を作る作用があり、その作用が心臓の血管を詰まらせて心臓発作を引き起こす可能性があります。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まって起こる病気です。歯周病が遠因となって動脈硬化が起きると、血のかたまりができやすくなり、脳梗塞を起こす危険性も高まります。一説によると、歯周病の人は健康な人に比べて脳梗塞のリスクが約3倍に高まると言われています。
糖尿病
以前から、糖尿病にかかっていると歯周病のリスクが高まると言われていました。ところが近年、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという疫学調査が出てきています。つまり、歯周病を治療することで、糖尿病の症状の改善も期待できるかもしれません。
骨粗しょう症
骨粗しょう症で全身の骨が衰えてくると、同時に歯を支えている歯槽骨ももろくなってきます。つまり、骨粗しょう症の方は歯周病にもかかりやすい状態なのです。また、骨粗しょう症の治療でお薬を服用している方が抜歯をすると、歯の周囲の骨が壊死してしまうことがあります。
関節炎・腎炎
関節炎や糸球体腎炎の原因となる細菌の多くは、歯周病の原因菌となっています。歯周病によって増えた口腔内の細菌が血液中に入り込んでしまうことで、関節炎や腎炎になってしまうことがあります。
早産や低体重児
歯周病菌による口腔内の炎症が、血管をとおして全身に回ってしまう場合があります。その炎症が羊水にまで悪影響を及ぼすと、早産や低体重児の原因となります。
カテゴリー一覧
トップへ » 診療について » 歯周病